新会計基準の概要

<1>計算書類等

公益社団・財団法人、一般社団・財団法人は、以下の計算書類等を作成する必要があります。

[公益社団・財団法人]

・貸借対照表 [貸借対照表内訳表]
・損益計算書(正味財産増減計算書 [正味財産増減計算書内訳表])
・キャッシュフロー計算書 ※認定法に定める会計監査人を設置しなければならない場合
・附属明細書
・財産目録
・収支予算書

[一般社団・財団法人]

・貸借対照表 [貸借対照表内訳表]
・損益計算書(正味財産増減計算書 [正味財産増減計算書内訳表])
・附属明細書

<2>昭和60年、平成16年基準

収益事業等の特別会計を設けている場合には、一般会計・特別会計のような会計単位ごとに貸借対照表、正味財産増減計算書などを作成し、総括表により法人全体の数値を表示します。

<3>平成20年新基準

会計単位はあくまで法人全体とし、法人全体の財務諸表、附属明細書及び財産目録を作成します。又、法の要請により区分経理を行う場合、会計区分ごとの情報は、財務諸表の一部として「貸借対照表内訳表」及び「正味財産増減計算書内訳表」を作成して表示します。

【平成20年新基準の適用対象となる法人は】、

①公益認定法2条3号に規定する公益法人
→公益社団・財団法人となった法人

②整備法123条1号に規定する移行法人
→特例民法法人から移行し、公益目的支出計画の実施が完了していない一般社団・財団法人

③整備法60条に規定する特例民法法人
→公益社団・財団法人への移行認定又は一般社団・財団法人への移行認可の申請をする特例民法法人

④公益認定法7条の申請をする一般社団・財団法人
→一般社団・財団法人で、公益認定の申請をする法人

<4>新会計基準での財務諸表

① 貸借対照表

その事業年度末現在におけるすべての資産、負債及び正味財産の状態を表示します。
※平成20年度新基準の適用初年度では、前事業年度の数値を記載しない事も出来ます。

② 貸借対照表内訳表

会計の区分を有する場合には、それぞれの区分ごとの情報を表示します。
(公益社団・財団法人)
「公益目的事業会計」「収益事業等会計」「法人会計」の3つの区分を設けます。
(移行法人)
「実施事業等会計」「その他会計」「法人会計」の3つの区分を設けます。
※公益法人、移行法人ともに、「内部取引消去」を表示します。

③ 正味財産増減計算書、正味財産増減計算書内訳表 (損益計算書)

その事業年度における正味財産のすべての増減内容を表示します。
※平成20年新基準の適用初年度では、前事業年度の数値を記載しない事も出来ます。会計の区分を有する場合には、それぞれの区分ごとの情報を内訳表にて表示します。区分表示は、上記貸借対照表内訳表と同様で、更に、公益法人では公益目的事業会計、収益事業等会計を各事業ごとに、移行法人では実施事業等会計を各実施事業ごとに表示します。

④ キャッシュ・フロー計算書

その事業年度におけるすべてのキャッシュ・フローの状況を表示します。
※平成20年新基準の適用初年度では、前事業年度の数値を記載しない事も出来ます。キャッシュ・フロー計算書は、その状況について、「事業活動によるキャッシュ・フロー」「投資活動によるキャシュ・フロー」「財務活動によるキャッシュ・フロー」に区分します。
※認定法5条の規定により、会計監査人を設置しなければならない公益社団・財団法人以外の公益法人は、キャッシュ・フロー計算書を作成しないことが出来ます。

⑤ 財務諸表の注記

重要な会計方針、基本財産及び特定資産の増減額及びその残高、固定資産の取得価額・減価償却累計額及び当期末残高、などの事項を財務諸表に注記します。

⑥ 附属明細書

その事業年度における貸借対照表及び正味財産増減計算書に関する事項を表示します。
具体的には、以下のものを表示します。
・重要な固定資産の明細
・引当金の明細
・貸借対照表及び正味財産増減計算書の内容を補足する重要な事項

⑦ 財産目録

その事業年度末現在におけるすべての資産及び負債につき、その名称、数量、使用目的、価額等を表示します。

<5>公益社団・財団法人の区分経理

① 公益目的事業会計

公益目的事業に関する収益、費用、資産、負債及び正味財産を計上する会計で、さらに、公益目的事業に属する各事業ごとに区分します。
・公的目的事業に属する各事業ごとに「収支相償」である必要があります。
※ある事業で、予想外に剰余金が生じた場合は、原則として翌事業年度等に剰余金をその事業の発展や受益者の範囲の拡充等に充てて解消しなければなりません。
・各事業を合わせた公益目的事業全体で「収支相償」である必要があります。
※使途が特定されていない収益等は、公益目的事業の「共通」区分を設けて、この「共通」区分を含めて、公益目的事業全体で「収支相償」を判定します。

② 収益事業等会計

収益事業等に関する収益、費用、資産、負債及び正味財産を計上する会計で、さらに、収益事業等会計に属する各事業ごとに区分します。
「収益事業」とは、一般的に利益の獲得を目的として行う事業です。
「その他の事業」は、公益目的事業及び収益事業以外の事業で、法人の構成員を対象として行う相互扶助等の事業などです。
※収益事業等は、その利益を公益目的事業に充てるために行う事業であるため、継続的に赤字が生じる収益事業等は公益目的事業の実施に支障を及ぼすと判断され、公益認定基準に抵触する可能性があります。

③ 法人会計

管理業務に関する収益、費用、資産、負債及び正味財産を計上する会計で、この会計では細分化はおこないません。
・収益
使途が管理費に特定されている寄附金や、公益社団法人における使途の特定されていない会費の50%相当額などを計上します。
また、公益目的事業のみを実施する法人は、寄附を受けた財産や公益目的事業の活動収益のうち、適正な範囲内の管理費相当額を、法人会計に収益として計上することが出来ます。
・管理費
管理費(総会・評議員会等の開催運営費、理事・評議員等の報酬、会計監査人の報酬等)はすべて法人会計に計上されます。

<6>一般社団・財団法人の区分経理

① 実施事業等会計

実施事業等に関する収益、費用、資産、負債及び正味財産を計上する会計で、さらに、実施事業等に属する各事業ごとに区分します。

・実施事業等とは、

a. 公益目的事業
公益目的事業に該当するかどうかは、公益認定法における公益目的事業と同様の判断を行います。

b. 特定寄附
寄附の相手方が具体的に確定しており、かつ、相手方は国又は地方公共団体・類似の事業を目的とする他の公益法人・学校法人等に限定されています。

c. 移行認可を受けた後も継続して行う、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与する目的に関する事業(継続事業)
旧主務官庁の監督下において公益に関する事業と位置づけられており、継続事業に該当するかどうかについて、行政庁が事業内容等必要な資料を添えて旧主務官庁に対し意見聴取を行ったうえで認めた事業に限ります。
※移行を行った法人は、実施事業として継続事業を新たに追加することは出来ません。

※移行申請をした法人で、公益目的支出計画に記載する「実施事業等」については、支出の総額が収入の総額を上回ることを要します。

② その他会計

実施事業以外の事業に関する収益、費用、資産、負債及び正味財産を計上する会計です。

※その他会計の収支についてプラスであることは求められていませんが、実施事業等会計のマイナス以上のプラスでないと、公益目的支出計画の実施に伴って正味財産が減少し、又は公益目的支出計画が正常に実施できなくなる恐れがあります。

③ 法人会計

管理業務に関する収益、費用、資産、負債及び正味財産を計上する会計で、この会計で細分化はおこないません。
・収益
使途が管理費に特定されている寄附金や使途の特定されていない会費などを計上します。
・管理費
管理費(総会・評議員会等の開催運営費、理事・評議員等の報酬、会計監査人の報酬等)はすべて法人会計に計上されます。

新制度の特徴

新しい公益法人制度の特徴は、以下の項目の通りです。

支援業務内容

伊勢総合税理士法人では、公益法人制度の変化に伴い、以下のサービスを承っております。